折込チラシの起源とは、生みの親はまさかの発明家だった

発明家、医者、戯作者、画家、陶芸家、地質学者。江戸時代にこれだけの肩書きを一人で背負っていた人物がいます、平賀源内です。摩擦で静電気を起こす発電装置「エレキテル」の復元で知られ、鉱物や本草学の研究でも名を残した、まさに異能の人。そんな人物が、実は日本の広告史にもしっかり名前を残しているとしたら、ちょっと意外じゃないでしょうか。
発明家が、まさかのコピーライターだった

1769年(明和6年)、平賀源内は歯磨き粉「嗽石香」の販売にあたって、引札と呼ばれる広告文を書きました。これが機知に富んだ内容で、江戸っ子の間で大評判になったそうです。その後、洒落や言葉遊びが得意な戯作者たちがこぞって面白おかしい引札を書くようになり、「戯文引札」というジャンルが流行するきっかけになりました。つまり、真面目な口上より、思わずクスッとする言葉のほうが人の心をつかむ。これ、250年前にすでに証明されていたわけです。
そもそもチラシの元祖は、あの老舗が配った一枚

では、日本最古のチラシは何かというと、話はさらに遡ります。1683年(天和3年)、日本橋駿河町に開店した越後屋、今の三越です。「呉服物現金安値無掛値」と書かれた引札を、なんと江戸市中の全戸に配ったとされています。その枚数、5万〜8万枚。当時の印刷や配布の手間を考えると、とんでもない規模の広告キャンペーンです。しかも「現金安値無掛値」という言葉自体が革新的でした。当時の呉服商売は、顧客の家を回って掛け売り(ツケ払い)で商品を届けるのが当たり前。越後屋はそれをやめ、店頭で現金かつ定価で売るという、今のスーパーやコンビニに近い仕組みを先取りしていたのです。新しい商売のやり方を、新しい広告の配り方で世に広める。この組み合わせ自体が、当時としては相当に大胆な一手でした。
平賀源内は発明家でありながら広告のコピーも書いていた
歯磨き粉の引札が江戸っ子の間で評判になった
日本最古のチラシは1683年、越後屋が全戸に配ったものだった
この三つを並べると、チラシという媒体が、実は最初から「面白さ」と「圧倒的な物量」という二つの武器を持っていたことがわかります。良い言葉を、たくさんの人に届ける。当たり前のようですが、この組み合わせこそが、チラシが長く生き残ってきた理由なのかもしれません。
「引札」が新聞に折り込まれ、チラシになるまで

江戸時代から明治にかけて盛んに作られた引札は、大正時代に入ると新聞の普及とともに姿を変えていきます。大正11年(1922年)、斎藤岩次郎という人物が、新聞や雑誌を扱う卸業者「北隆館」の中に折込広告部を立ち上げました。北隆館はもともと新聞や雑誌を扱う卸業者で、当時すでに業界大手の一角でした。その社内に、わざわざ折込広告専門の部署を作ったということは、それだけ「新聞に挟んで届ける」という手法に将来性があると見込まれていたということです。これが、日本で新聞折込広告を専業として手がけた最初の事業だとされています。手渡しの引札から、新聞に挟んで届ける折込チラシへ。配り方は変わっても、「まだ知らない人に、こちらから届ける」という発想そのものは、ずっと変わっていません。
340年経っても変わらない、チラシの本質

越後屋の引札から数えると、チラシの歴史は340年以上になります。SNSもネット広告もなかった時代から、人は「良い言葉を、まとめて配る」という方法で商売を広げてきました。平賀源内の引札が評判になったのも、越後屋が全戸配布に踏み切ったのも、根っこにあるのは同じことです。届けたい相手に、確実に、まとめて届ける。そして、一瞬で心をつかむ言葉を選ぶ。この二つがそろえば、時代がどれだけ変わってもチラシという媒体は効き続けるのだと思います。SNSでバズる投稿も、結局はこの二つの原則の焼き直しにすぎないのかもしれません。
私たちオリコミトライも、この340年の歴史のいちばん新しい担い手だと考えています。地域に確実に届けること、そして思わず読みたくなる一枚を作ること。江戸時代から続くこの二つの原則を今の時代のやり方で受け継いでいくのが私たちの仕事です。「うちのチラシ、平賀源内ほどの機知はないけど大丈夫だろうか」と思ったら、お気軽にご相談ください。一緒に思わず読みたくなる一枚を考えます。
当時としては型破りだったであろうこの商法を、越後屋は広告とセットで押し出し、後の三越へとつながる礎を築きました。新しいやり方を、新しい伝え方で世に広めていく。この組み合わせは、業種が変わった今の時代でも、そのまま通用する考え方だと思います。
まとめ

チラシの歴史をたどると、最初の一枚から340年以上、私たちは「良い言葉を、まとめて届ける」という同じことを繰り返してきたことがわかります。発明家が書いた歯磨き粉の広告も、老舗が全戸に配った引札も、今のスマートフォンにあふれる広告も、根っこは同じです。デジタルの時代だからこそ、この長い歴史を持つ媒体の力を、もう一度見直してみませんか。まずはお気軽にオリコミトライへ声をかけてくださいね。
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